約 3,279,533 件
https://w.atwiki.jp/nicomment/pages/408.html
[2010/10/09 18 10] セキレイ~Pure Engagement~ 第01話 「静ナル予兆」 第02話 「風立チヌ」 第03話 「風ノ答エ」 第04話 「最後ノ一羽」 第05話 「炎ノ鶺鴒」 第06話 「婚グ言葉」 第07話 「遠イ物語」 第08話 「草ノ遊戯」 第09話 「数多ノ絆」 第10話 「果ツル空」 第11話 「祭ノ準備」 第12話 「乱戯ノ塔」 第13話 「真実ノ絆」 第01話 「静ナル予兆」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm11057351 24 00 4998 1301 先行版 sm11282821 24 00 1111 186 sm11283921 24 00 2030 76 第02話 「風立チヌ」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm11360536 24 00 272 371 第03話 「風ノ答エ」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm11434757 24 00 465 523 第04話 「最後ノ一羽」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm11516575 24 00 546 723 第05話 「炎ノ鶺鴒」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm11599727 24 00 206 358 第06話 「婚グ言葉」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm11681830 24 00 492 541 第07話 「遠イ物語」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm11765035 24 00 488 561 第08話 「草ノ遊戯」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm11848346 24 00 629 668 第09話 「数多ノ絆」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm11930182 24 00 579 579 第10話 「果ツル空」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm12011068 24 00 624 447 第11話 「祭ノ準備」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm12090854 24 00 835 288 第12話 「乱戯ノ塔」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm12163885 24 00 1,491 572 第13話 「真実ノ絆」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 備考 sm12243320 24 00 976 550
https://w.atwiki.jp/rdr2jp/pages/1098.html
放棄された郵便馬車 マップ 解説 金庫の中に手紙がたくさん入っている。 ヘンリエッタ・ダグラス宛の手紙 フィンレー判事宛ての手紙 薬用ニンジン類の万能薬 サンドニ新聞宛の手紙 ミリアム・ウェグナーへの手紙 ウィリアム・エリントン宛の手紙 ギャラリー
https://w.atwiki.jp/kairakunoza/pages/2622.html
========= To:泉こなた 件名:愛しのこなたんへ 本文 こなたんカワユス,こなたんめがっさカワユス,こなたん大好き,こなたん愛してる,こなたん最高,こなたんlove, 世界最萌こなたん,アホ毛がキュートよこなたん,世界にひとつだけのこなたん,誰が何と言ってもこなたん,世界が滅んでもこなたん,世界の全てが敵にまわっても私だけが味方よこなたん,NO Konatan NO life 三度の飯よりこなたん,なんてったって★こなたん,凄いよこなたん,猫口こなたん,ぷにぷにもち肌こなたん,舐めたいよこなたん,食べたいよこなたん,ロリロリこなたん,こなたんが可愛すぎて私は困ったん 私だけを愛してこなたん,私だけを見てこなたん,もっと私を弄ってよこなたん,弄り倒してよこなたん,イジリーこなたん 私は世界で一番こなたを愛してる 私は世界で一番こなたを愛し続ける 世界で一番こなたが好きだ 世界で一番こなたが大好きだ だから、私と………… 付き合って欲しい!! ========= 「なんて……、こんなメールを送られたら、いくらこなたでも流石に引くよなぁー」 私の名前は柊かがみ。私立陵桜学園3年C組の女子高生 『こなた』とは『泉こなた』の事で、学園は同じだけどクラスは別で私の一番の親友だ そして私が最も一番愛しい人 けど、こなたは、男性ではなく、女性 そう、私は同性の人を愛してしまったのだ 【かがみのmail騒動】 「………………ふぅ、やっぱ止めよ。こんなメールは……削除しよう……」 打ったメールを削除しようと操作したが…… →送信〈ピッ 「やべっ、間違って送信押しちゃった、中止中止!」 『送信しました』 「へっ……」 『送信しました』 「ちょっ…………」 『 送 信 し ま す た 』 「あっああ……」 「あぁぁぁあぁぁぁあああぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁあぁぁぁぁあああぁぁぁあ!!!!」 私の叫び声が部屋中に木霊した 「やってしまった……やってしまった……、どどどっどうしょう…………」 もう私は完全にパニクってしまい、冷静が全て消失して、頭で何度も考えても混乱してる所為で、良い打開策が見付からない と、そこに トントン、ガチャッ 「お姉ちゃんどうしたの?そんなに大きな声あげt 「煩い邪魔すんな消えろぉぉぉぉぉお!!」 バルサァー!!」 つかさが顔を出した瞬間に、殴り飛ばした 勝手に入ろうとするなっ、気が散る! ああ、こなたからの返信が恐い……。引いているだろうか……或いは、なんかの冗談と思い、笑い飛ばしているだろうか…… 多分、前者の方が確率大だと思うが…… そう言えば、過去にも携帯の操作ミスを犯し、大変な目に遭遇した事がある それは、数日前の事 居間で携帯をいじっていると チロリーン 「げっ、変な迷惑メールが送られてきた。削除削除っと」 迷惑メールを受信してしまったので、『削除』にカーソルを合わせて選んだ筈だが…… 削除 →全削除〈ピッ 「やべっ、しまったっ、中止中止!」 『削除しました』 「へっ……」 『削除しました』 「ちょっ…………」 『 削 除 し ま す た 』 「あっああ……」 「あぁぁぁあぁぁぁあああぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁあぁぁぁぁあああぁぁぁあ!!!!」 そう、操作を誤った所為で、友達全員から送られたメール全てを削除してしまったのだ 然も、保護しておいたこなたからのラブメール(妄想 も全部消滅。保護したのにも関わらず消滅 嫁のこなた(妄想 が、あまりにも私の事を好き過ぎて(妄想 私の為だけに(妄想 贈り出したラブメール(妄想 を、全て消してしまった私(妄想癖 は…… 死 ん だ いや、実際には死んでいないが、狂乱し、何もかも絶望し、自殺を図ろうとした そして自暴自棄になって居たとき、私以外の家族全員が騒ぎに気付き、一斉に止めてきた 「お姉ちゃんが、タミ★ルを大量摂取したかの様に暴れてるよー!!」 「いや、何かに取り憑かれているかもしれん!直ぐに御祓いせねば!!」 「かがみ、落ち着いt、フゴッ」 「ちょっ、おまっ、暴れんなってwwwww、グエッ」 「いのりお姉ちゃんとまつりお姉ちゃんがぶっ飛ばされた!誰か、お姉ちゃんを止めt、バルサァー!」 「ちょっ、かがみっ、落ち着きなさi、ブルコギ!」 「きゃっ、だだおさん大丈b、アシモ!」 「私を止めんなー、死なせてくれ死なせてくれぇぇぇえ!」 暫く暴れ回った後、なんとか落ち着きを取り戻し気を静める事が出来たが、若干放心状態で居た 「折角、友達から送られたメールを残してたのに……こなたからのメールを全部保護してたのに……こなたからのメールを全部保護してたのに……こなたからのメールを全部保護してたのに!!」 「(なんで3回言うねん……)だったらこなちゃんやみんなに事情を話して、メールを送って貰えば良いじゃん」 「はっ、成る程そう言う手が有ったか!さてはお前、ネ甲だな!!」 「(今更気付くのかよ、どんだけテンパってんねん……)確かに全部削除してしまったメールは二度と戻せないけど、私達がもっとメールを送ってやるから。 それでまた貯めりゃあ良いと思うよ」 「誰にでも優しいこなたの事だわ!ちゃんと事情を話したら絶対許してくれるはず!快くOKしてくれるはず! って言うか、私にだけ優しくしてぇぇぇぇぇ!!」 「(話し聞いてんのか?こいつ……)そうそう、こなちゃんと み ん な も 優しいから。 だから、みんなから送って貰って沢山貯めようね!」 「そうね……確かにそうね! まぁ、ぶっちゃけ、こなた以外のメールは要らないしね!!」 「(お前最低だ……)お前最低だ……」 そして、早速こなたに電話をかけた トゥルルルルルッ、ガチャ 『はい、こなただよー。どったの、かがみーん』 「ぶえぇぇぇぇぇんごな゛だあばばばばばばばば!」 『Σ(=д=.;)ちょっ、本当にどったのかがみん!?とりあえずモチツケ!!』 「ぐすっ、うん、実はね……」 かくかくしかじか 『な~んだ、そう言う事だったのか、うん、わかった。 じゃあ、メール送るね』 「えっ、良いの、許してくれるの?」 『許すもなにも、別に怒ってないし、間違いは誰にだって有るしね。 後、何よりもかがみんからのお願いだしねー』 「こなた……ありがとう……」 『(=ω=.)あいあい、こんなのお安い御用だからさ。じゃっ早速贈るからねー』 「本当にありがとう……こなた……」 『じゃ、待っててね』 ガチャ、ツーツー 「ああ、本当にこなた最高!流石は私の嫁だわ惚れ直したわ!!」 「良かったね、お姉ちゃん。じゃあ、もう部屋に戻るね」 「もう最高!最高過ぎる!もう襲いたい食べちゃいたい!!」 「ははは(もうこいつ、本当に死んでくれないかな……)」 数分後 ピロピロリーン←メール受信音 「ウハッ、キマシタワー!!」 受信したメールを早速確認したのだが…… つかさからのだった 「………………」 読まずに消した つかさ涙目(知らないが ピロピロリーン 「おっ、今度こそこなかからね」 To かがみ 件名 かがみんへ 本文 かがみーん、送ったよー まったく、かがみはそそっかしいね 次は気を付けて、大事に取っといてよー また、困った事が有ったら、何でも言ってね 私はいつでもかがみの味方だからね じゃあ(=ω=.)ノシ 「もう……こなたったら」 といった失敗だったが、何とか事なきを得た それ以降、より一層こなたからのメールが楽しみになったが、今回のメールは正直恐い 一体、どのいった内容で返信して来るのだろう かなりの不安がよぎる そして…… ピロピロリーン 「うわぁぁぁ、返信来たぁぁぁ!ぎゃぁぁぁぁぁぁー!!」 ガラガラ 「もう、煩いよ!また、どうしたの!?お姉ちゃn ヒュッ ドゴーン 気付いたら、部屋の前の壁に、人型の穴が開いてた 条件反射で殴ったのだろうが、そんなの関係無い 私は、こなたに引かれる嫌われる恐怖を感じながら、恐る恐るメールを確認した Frm かがみ Sb Re これは、どういう意味かな?かがみんや 良かった、普通のメールだ。でも、何て返そう…… これは、どう返した方が良いのだろうか? 「………………」 よし、言おう、正直に話そう。今まで隠してたこなたへの秘めた思いを、全て打ち明けよう、全て告白しよう。メールではなく、電話で、自らの声で 恐らく、気持ち悪がられると思う、嫌われると思う……けど、もう、送ってしまった以上は隠し通せれないだろう…… もう、後戻り出来ない 引き返す事も出来ない だったら…… 当たって砕けてやる!! ピッ トゥルルルルルッ、ガチャ 「もしもし、こなたぁ?」 『あっ、かがみ?』 「あっあのさ、さっきのメールだけどさ……」 『あっああ、あのメールね……あれは、どういう事なのかな?』 やはり、聞いてきた なのなら、正直に話すまで! 「あれはね、……全て、そのまんま私の本心よ……」 『え……』 「あのメールはね、私の本心で、願望で、告白のメールなの……」 『かがみ……』 「私ね、こなたの事が……好き……なの……」 『…………』 間が、開いた 沈黙が訪れた 私は口を開き、言葉を紡ぎ出す 「ねぇ、こなた聞いて……、私はずっと貴女の事が好きだった。 勿論、今も好き……私達は女同士だし、おかしいと思うけど……それでも!ずっと!こなたの事を愛してるの!!」 『………………』 言った……遂に……言ってしまった…… 受話器越しからは、こなたの息遣いだけが聞こえる 私の思いが、こなたに届いただろうか…… 今まで味わった事の無い緊張と、振られるかもしれない、軽蔑されるかもしれないと云う恐怖で、受話器を持つ手が震えている。手の平が段々汗ばんでゆく そして、沈黙は、こなたの声によって破れる 『私で良いの?』 「えっ?」 『本当に私で良いの?かがみ……』 「えっ、まさか……」 『実はね、私も好きなんだよ、かがみん』 「~~~~~~!!」 まさか、こなたも私の事、好きだなんて…………両思いだったなんて………… 『かっかがみ、どうしたの?』 はっ!嬉しさの余りに一瞬死んでた!危うく召される所だった!! 「こなたこそ良いの!?私で本当に良いの!?」 『良いのって、かがみから告白してきたでしょ』 「そうだけど……だって、さっきのメールで引かなかった?変だと思わなかった?」 『んまぁ、最初はびっくりしたけどね。……けど、私の事をあんなに想って居てくれてたから、逆に嬉しさの方が強かったかな』 「そうなの……」 嬉しい……まさかあのメールで、こなたと結ばれるなんて…………送って良かった! そうだ、この流れを利用して…… 「ねぇこなた、明日……暇?予定とか有る?」 明日は休みだ、どうせならこなたと出掛けよう 『うん、明日はなんも予定入ってないよ。バイトも休みだし』 「だったらさ、何処か出掛けよう。……勿論、2人で……」 『うん、良いよー、一緒に出掛けよー』 「(やった!)じゃあ、〇〇時で〇〇で待ち合わせという事で良いかな?」 『良いよー、私はかがみとなら何処へでもおKだよー』 「(嬉しい事を言ってくれる!)ありがとう、じゃあ、また明日ね!」 『うん、また明日ねー、かがみんとの初デートしっかり楽しもうね』 「(!!)WAWAWAわかったわ、お互い遅刻しない様に気を付けようね」 『そだねー、じゃあまたn、あっそうだ!かがみん!』 「どっどうしたの!?こなた」 『……愛してるよ』 「……私もよ、こなた……愛してる」 『くふふ、ありがとね。では、また明日』 「また明日ね……」 ガチャ、ツーツー …………………… やっやや………… 「やったぁぁぁぁぁぁあ!!」 こなたが私の告白を受けてくれた!『好き』と言ってくれた!明日デートが出来る様になった!! どうしょう、嬉しすぎて、幸せ過ぎて、私、私………… ピーーー はっ、また死んでた!今死んだら折角こなたと付き合う事になったのに、全て台無しになってしまう!…………でも…… 「本当に死ぬほどの幸せだなー」 よし、時間はまだ有るんだし、明日の用意しよう! トントン、ガチャ 「お姉ちゃん良かったね、こなちゃんと付き合う事が出来て!」 「ありがとうつかさ!私、本当に嬉しい!嬉さの余りに失禁しちゃいそう!!」 「漏れろ!私は2人の事、応援するからね!」 「ありがとうつかさ!私、頑張る!頑張ってこなたと結婚する!!」 「気が早過ぎるよ阿呆!明日のデートは楽しんで来てね!」 「ありがとうつかさ!明日は目一杯楽しむぞー! …………そして最後は、こなたと…………ぐへっへへへジュルリー」 「この変態!氏ね!お姉ちゃん達がいつまでも幸せで居れる様、お願いするよ!」 「ありがとうつかさ! 私ね、余韻に浸りながら明日の準備したいし、少し……目障りだから…… 消 え て 」 ギャー そしてまた、壁に同じ様な穴が開いた 数分後 「よし、これで良いわね!もう本当に明日が楽しみ!!」 ウルトラソォゥォル!←メール着信音 「あっ、メールが来た……こなたからだ!」 ========= To:かがみん 件名:愛しのかがみんへ 本文 かがみんカワユス,かがみんめがっさカワユス,かがみん大好き,かがみん愛してる,かがみん最高,かがみんlove, 世界最萌かがみん,ツインテキュートよかがみん,世界にひとつだけのかがみん,誰が何と言ってもかがみん,世界が滅んでもかがみん,世界の全てが敵にまわっても私だけが味方よかがみん,NO kagamin NO life 三度の飯よりかがみん,なんてったって★かがみん,凄いよかがみん,ツンデレかがみん,ツヤツヤ肌かがみん,舐めたいよかがみん,食べたいよかがみん,,萌え萌えかがみん,かがみんは萌えの鑑 私だけを愛してかがみん,私だけを見てかがみん,もっと私を弄ってよかがみん,弄り倒してよかがみん,イジリーかがみん 私は世界で一番かがみを愛してる 私は世界で一番かがみを愛し続ける 世界で一番がかがみ好きだ 世界で一番がかがみ大好きだ だから、私と………… いつまでも一緒に居て欲しい!! ========= 「もう、こなたったら」 そして私は、沢山の愛情を込めメールを返した end コメントフォーム 名前 コメント こなた以外に関しては本当に最低だなコイツwww -- 名無しさん (2013-03-17 16 39 36) いんすぱいあ -- 名無しさん (2011-02-15 07 10 37) ちょwww名作www -- 名無しさん (2010-11-23 18 22 51) オモロイしストーリーもしっかりしてるwww Gj -- 名無しさん (2010-03-02 00 21 59) やべっ!一時期だけど、おいらメール着信音それだったよ。 -- kk (2010-01-11 00 21 23) >ウルトラソォゥォル!←メール着信音 ふいたwww -- 名無しさん (2010-01-07 18 45 13) ぶっ飛んでて最高っすよ。グルーヴ感バリバリだぜ! -- 名無しさん (2010-01-07 01 23 57)
https://w.atwiki.jp/ameba_pigg/pages/3549.html
100% Pure Pineapple Juice straw_hawaii_drink_yl_1007.swf Hawaiian Mystery Box Hawaii Sunset Beach Unisex Pocket 200 Gummies 380 Gummies http //info.pico.ameba.net/2010/07/15/new-area-have-you-been-to-hawaii/
https://w.atwiki.jp/knowledge_library/pages/84.html
postfix概要 postfix 概要 ServiceName postfix Protcol and Port 25(smtp)/TCP,587(submission)/TCP DeamonProgram /usr/sbin/postfix Configration files /etc/postfix/main.cf, /etc/postfix/master.cf Document files /usr/share/doc/postfix-2.6.6 Pid file /var/spool/postfix/pid/master.pid Lock file /var/lock/subsys/postfix Control script /etc/init.d/postfix Script parameters start stop status reload restart force-reload abort flush check condrestart Starup 2 3 4 5 / 80 30
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/2320.html
真夜中のテレフォン 過去にやってきて随分たった、お母さんとお父さんは元気かな・・・・ やっぱり家族にずっと会えないで一人でいるのは寂しい。 そうだ彼に電話をしてみよう、彼ならこの寂しさを紛らわせてくれるから・・・ 「もしもしキョン君?」 『こんばんは朝比奈さん、どうしたんです?』 なぜかわからないけど彼の声を聞くと安心する 「ごめんなさい、こんな時間に電話しちゃって・・・迷惑ですよね?」 『朝比奈さんからの電話ならテスト中だって迷惑じゃありませんよ』 受話器越しに彼の優しさが伝わってくる・・ふと涙がこぼれた 「・・・ありがとう」 『なにかあったんですか?俺でよかったら相談にのりますよ』 彼はいつもわたしのことを心配してくれる、なんの役にもたてないこんなわたしを 「ううんなんでもないの・・・ただキョン君の声が聞きたくなって」 いきなりこんなこと言ったら彼を困らせてしまうことはわかってる、 わたしが彼とこれ以上仲良くしちゃいけないこともわかってる、 でも・・・ 「ごめんなさいごめんなさい、今のは忘れてください!」 『・・・・こんな声でいいならいつだって電話してください。喜んでお相手しますから」 優しい言葉に涙がとまらない、こんなに弱い自分が情けなくなる。 誰の役にも立てなくて、迷惑をかけることしかできなくて・・・・ 「それじゃ・・・これからもたまに電話してもいいですか?」 なにを言ってるんだろうわたしは、こんなこと許されるわけもないのに、 でもせめて電話くらい、それくらいなら・・・ 『もちろんですよ、むしろ毎日かけてほしいくらいですね』 「それじゃ・・・また明日」 『はい、それじゃ』 電話が切れた途端にまた無性に寂しくなる・・・早く明日にならないかな、 彼の声が聞きたいから 幸せな日常 翌日 [コンコン] ノックするのは彼か古泉くんしかいません、昨日あんな電話したからまだ彼の顔を見る 心の準備ができてない、どうか古泉くんでありますように 「はーい」 少し声が上ずっちゃった気がする、今彼が入ってきたら赤面しちゃうこと 間違いなしです 「こんにちは朝比奈さん」 よかった、入ってきたのは古泉くんだった、でもちょっと残念、はやく彼の 声が聞きたい 「こんにちは古泉くん、今お茶煎れるんでちょっと待っててくださいね」 古泉くんは礼儀正しく会釈をしていつもの様に一人でチェスを始めた、 一人で練習かな?でも彼にいつも負けているのはなんでだろう、彼はそんなに 強いのかな、それともいつもわざと負けてるのかな? [コンコン] ノックの音がした、ああどうしよう、どんな顔をして彼に会えばいいのかわからない、 どうしようどうしよう、でもいつまでも放っておくこともできないし古泉くんが どうしたんですかと声をかけてくるし、早くドアを開けないと [ガチャ] ドアを開けると彼が立っていた 「あれ?いたんですか朝比奈さん、返事がないからてっきりだれもいないかと」 なんでだろう、彼の声を聞いただけでさっきまでの不安が消えて 幸せな気分になれる 「ご、ごめんなさい、お茶がのどに入ってお返事できなくて」 彼もわたしが下手な嘘をついてるのはすぐにわかったと思う、でも 「そうですか、変なタイミングでノックしちゃって俺のほうこそすいません」 と言って微笑んでくれた。思わずわたしも微笑んでしまう、古泉くんが変な目でこっち を見ていることも気にならない 「今お茶煎れますから」 彼はまた微笑んで古泉くんの正面に座る。彼のためにとびっきりのお茶を煎れてあげよう、 彼の喜ぶ顔が見たいから、わたしにはこれくらいしかできないから 「はいどうぞ」 彼と古泉くんの前にお茶をおく、彼はとってもおいしそうにお茶を飲んでくれる。 わたしもすごく嬉しくなる 「どうですか?」 「とっても美味しいですよ」 古泉くんもおいしいと言ってくれたけどほとんど耳に入ってこない、彼の笑顔を 見るのに忙しかったから イスに座って彼と古泉くんのチェスを観戦する、でも本当は彼の顔しか目に入らない、 不意に彼がこっちを見た・・・・彼は目をそらそうとしない、わたしもそらさないで 見つめる、こんなところ涼宮さんに見られたら大変ですね、今日は涼宮さんこないと いいのになぁ・・・・ [ガタン!] 「ヤッホー、みくるちゃんお茶ちょうだい!」 涼宮さんが元気良く言った、はぁ・・・ ずっと彼のことを見ていたいのにな、仕方ないですね、 「はいはいただいま」 と言ってお茶を煎れる、3秒でおかわりをする涼宮さん、せっかく煎れたんだから もうちょっと味わって飲んで欲しいな、もう 「ん?どうしたのみくるちゃん、あたしの顔になんかついてる?」 「な、なんでもないですぅ」 「そう」 涼宮さんの勘の鋭さにはびっくりです、気をつけないと。 イスに座ってまたチェスを観戦、やっぱり今日も彼の勝ち、なるべく彼の顔をボーっと 見ないように気をつけたけどついつい見ちゃった、でも涼宮さんはパソコンをいじるのに 夢中で全然気がついてないみたい。このまま時間が止まればいいのにな・・・・ 長門さんが本を閉じて今日の部活は終わり、みんなが部室を出て行った後で制服に着替えて 昇降口に向かうとそこには彼が立っていた。 「どうしたんですか?」 「朝比奈さんの様子が気になりまして」 彼はわたしのことを心配して待っていてくれたみたい 「でも・・・・こんなところ涼宮さんに見られたら大変ですよ?」 「どうしてです?」 「どうしてですって去年にあったことを忘れたんですか?」 「大丈夫ですって、別に一緒に帰ってるところを見たくらいで世界が終わるなんてこと ないでしょう」 「で、でも」 「あんな奴のことなんて気にすることないんですよ、それよりなにかあったんですか?」 彼に見つめられると嘘がつけなくなる・・・ 「・・・・寂しくって」 「・・・・え?」 「そ、その、家族のことを考えてたら急に寂しくなっちゃいまして・・・・・・ ごめんなさい」 「謝らないでください、むしろそんな時に電話してもらえるなんて嬉しいですよ」 「・・・ホントですか?」 「もちろんですよ」 なんで彼はこんなに優しいんだろう、わたしは上を向いて走り出す 「どうしたんですか?」 「・・・・・・なんでもないんです、なんでも」 彼がどんな顔をしているのかはわからない、 上を向いてないと涙がこぼれてしまうから、彼を困らせてしまうから・・・ ある雨の日 それから毎日電話をかけた 彼はわたしの話を聞いてくれる、彼のことを話してくれる この関係が続けばいいと思う、でももっと彼に近づきたいと思う自分がいる 許されないとはわかっているけど・・・・ 『・・・・なさん?朝比奈さん?』 「あ、すいませんボーっとしちゃって、なんの話だった?」 『明日は暇ですか?って聞いたんです、もしかして予定入ってます?』 「え!?・・・・暇だけどどうして?」 わかる気がするけど聞いてみる 『映画でもどうですか?』 とってもとっても嬉しい・・・けど二人で出掛けるなんて禁則中の禁則 「ごめんなさい、とっても嬉しいんだけど・・・」 『じゃあ遊園地なんてどうです?』 「それもちょっと・・・」 彼の声が少し寂しげになる、彼はなんにも悪くないのに 『・・・俺と二人で出掛けるのは嫌ですか?』 「そんなことないの・・・ただ」 『またハルヒですか?』 「・・・はい」 『ハルヒのせいで俺は朝比奈さんをデートに誘えないんですか?』 彼の声が怒りを帯びてきた、めったに怒ることなんてないのに わたしなんかのために怒ったりしないで 「仕方ないです、また世界が改変されることになったら大変だから」 自分に言い聞かせる 「わたしもキョン君と出掛けたいです、でもだめなんです」 『・・・・・』 彼は黙ってしまった 「キョン君?」 『・・・俺はあなたのためなら世界が終わっても構わない」 「え?」 『明日の10時に駅前で待ってますから』 「ち、ちょっとキョン君!?」 『すっと待ってますから、じゃあ』 と言って彼は電話を切った・・・どうしたらいいんだろう、 彼と出掛けられるのはとってもとってもとっても嬉しい、けど・・・ 翌日10時 [・・・ルル、プルルルルルル] 彼が電話にでてくれない、本当にわたしが行くまで待ってるのかな、行ったらもう この思いを止められなくなる、彼の優しさに溺れてしまう・・・ 12時 何回かけても彼はでてくれない 16時 彼はケータイの電源を切ったみたい・・・ 18時 雨が降ってきた・・・ 20時 やっぱり電話にでてくれない・・・ちょっと見に行ってみようかな、約束の時間を もう10時間も過ぎてるし、いなかったらもう彼に電話をするのはやめにしよう、 彼もわたしも傷つくだけだから、でももしまだ待っていたら・・・ 20分後駅前についた、傘を差してる意味がないくらいわたしはびしょ濡れ・・・ 「キョン君!!」 彼は土砂降りの雨の中立っていた、傘も差さずに震えながら、わたしは傘を投げ捨てて 彼に駆け寄る 「ごめんなさいキョン君!わたし・・・わたし」 「遅刻ですよ朝比奈さん、喫茶店代は朝比奈さん持ちですよ?」 彼はそう言って微笑んだ、震えながら、 わたしは彼に抱きついた、泣きながら・・・ 震える彼がわたしを抱きしめる、わたしは彼にキスをした、長い長いキス このまま時間が止まるように、彼をずっと放さないように。 約束 目を覚ますといつも一人だった、でも今日はちがう。 隣に彼がいる、彼の匂いがする、いつかは未来に帰らなきゃいけないこともわかってる、 でもこの幸せが永遠に続くと信じたかった。 ベッドからでて服を着ると彼の声がした 「おはようございます朝比奈さん」 なんだかとっても恥ずかしいな、でもすごく幸せ 「おはようキョン君」 彼の目が少し赤く腫れていた 「泣いてたの?」 「ゴミが入っただけです、今日は映画に付き合ってもらいますよ?」 彼は目をこすってちょっと恥ずかしそうに微笑む 「はい」 もう躊躇うことなんてない、彼と一緒ならどこだっていけるから 「じゃあ朝ご飯作りますから、なにか食べたい物あります?」 「朝比奈さんが作ってくれるなら何だって食べますよ」 「フフッ」 彼のために朝ご飯を作る、なんだかお嫁さんになったみたい。 わたしが作ったご飯を美味しそうに食べてくれる彼の顔を眺めていると、 彼のケータイが鳴った 「もしもし」 誰からの電話だろう、 「すまんな、今日は忙しいんだ」 お友達かな? 「俺にだって休日の予定くらいはあるんだよ」 あ・・・電話の相手がわかった、 「なんだっていいだろ、じゃあな」 彼は電話を切って微笑んだ 「ハルヒからです、いつもの不思議探しに行くって言うんで断ってやりました」 やっぱり涼宮さんだったみたい 「でも、それじゃ涼宮さん怒るんじゃ」 「いいんですよ別に、朝比奈さんは俺と映画に行くよりそっちのほうが よかったですか?」 彼はわざと悲しそうな顔で聞いてくる 「もう、わかってるくせに」 「ハハハ、そのうち朝比奈さんにも電話かかってくるんじゃないですかね。ちゃんと 断れますか?」 「わたしだって子供じゃないんだから、意地悪ばっかり言うとご飯下げちゃいますよ?」 「すいません・・・なんか新婚さんみたいですね」 彼が照れながら言った 結婚できないことなんて彼もわたしもわかってる、わかってるから今彼といられるこの 瞬間を精一杯過ごそう 「フフッそうですね」 彼と一緒に食器を下げて、彼と一緒にお茶を飲む、こんな時間をなによりも大切に。 「ハルヒから、電話かかってこないですね」 わたしといる時に涼宮さんのこと考えてたのかな 「そうですね、なんでだと思う?」 わたしはわかる気がするけど彼はどうだろう 「どーせ俺がいないと自分が奢るハメになるからとかそんなとこでしょ」 ・・・やっぱり彼はわかってないみたい、ホントにそういうところは鈍感な人 「朝比奈さんはどう思います?」 「わ、わたし?」 どうしよう、もしホントのことを言ったら・・・ 「わたしもキョン君の言った通りだと思います」 「ハハ、やっぱりそう思いますか」 彼に嘘をついてしまった、だってホントのことを言ったら彼の心が涼宮さんに 傾いてしまうかもしれないから、彼を誰にも渡したくないから。 お茶を飲み終わって一緒に家を出る、彼と二人で出掛けるのはわたしが誘拐 されそうになった時以来かな? あの時のことは殆ど覚えてないけど彼の温もりと匂いは覚えてる、 目が覚めたら彼にオンブされてて、でも長門さんがいたから恥ずかしくって すぐにおろしてもらった、もうちょっと彼にオンブしてもらってたらよかったな、 そうだ、恥ずかしいけど今頼んでみよう、ここの道なら人通りが少ないから 「朝比奈さん観たい映画あります?」 「オ、オンブしてください」 彼が言うのと同時だった 「え!?」 「え!?」 どうしよう、彼がびっくりした顔で見てる 「な、なんでもないです」 恥ずかしくてすっごく顔が熱い、言わなければよかった 「朝比奈さん」 彼を見ると 「はいどうぞ、朝比奈さんのお願いならなんだって叶えますよ、俺ができることなら」 と言ってしゃがんでくれた。 すこし躊躇って彼の背中に乗る、やっぱり恥ずかしいな 「どこまでいきますか?お姫様」 「それじゃああそこの曲がり角まで」 「わかりました」 彼の体温が伝わる 「キョン君あったかくてとってもいい匂いがする」 「朝比奈さんにはかないませんよ」 「フフッ」 あっという間に曲がり角 「着きましたよお姫様」 「まだ降りたくないです」 「それじゃあ駅までいきますか?」 「重くない?」 「ぜんぜん重くなんてありませよ」 「じゃあお願い」 「よろこんで」 角を曲がると結構人通りが多くなる 「キョン君わたし達すごい目立ってない?」 「じゃあここで降りますか?」 「降りません」 「わがままなお姫様だ」 「嫌いになった?」 「むしろもっとわがままを言ってほしいくらいですよ」 「・・・じゃあ今日一日わたしの言うことをなんでもきいてください」 ちょっと調子に乗りすぎたかな 「わかりました」 「ホント?」 「ホントです」 オッケーしてくれるとは思わなかった、ホントにいいのかな 「約束ですよ?」 「約束です」 約束してくれた・・・・・・何をお願いしようかな、そうだ 「今日一日敬語は禁止です」 「禁止ですって朝比奈さんも使ってるじゃないですか」 「いいから今日は禁止!いい?」 「わかりました」 「ちがうでしょ?」 「・・・わかったよ」 「フフッ」 「もう駅だよ」 ちょっと困ったように彼が言った、さすがに駅前は人が多いから彼から降りる 「切符買ってくるからちょっと待っててくれ」 敬語じゃない彼は新鮮で、ちょっと面白いな 「じゃあいこうか」 「もう一つお願い」 「なんですか?」 「・・・・」 「なに?」 「手つないで」 「これでいいか?」 と言ってわたしの手を握る 「あったかいね」 「ああ」 「男の人と手を繋いで歩くなんて初めて」 「ホントに?」 「ホントに」 「俺がはじめてなんですか?」 「うんはじめて」 「はなはだしく意外ですね」 「前にもこんな話しなかった?」 「しましたっけ」 初めての不思議探索、わたしの正体を彼に告げたとき、彼は驚いてたけど決して わたしが嘘をついてるなんて言わなかった・・・あの時から彼のことを好きだったのかも しれない。 「電車来たみたいですね」 「・・・あ、敬語」 「すいません、やっぱりタメ口は慣れなくて」 「喋りづらい?」 「かなり」 「じゃあ敬語禁止タイムは終わり、普通に喋っていいですよ」 「よかった、助かりましたよ、正直途中から敬語で喋ってませんでしたけど 朝比奈さん気付かないから」 「ホント?」 「ホントです」 「もう」 「ハハハ」 やっぱり彼といると時間がたつのがはやい、もう駅についた 「なにか見たい映画ありますか?」 改札を出たところで彼が言った 「わたし映画って見たことないから」 「未来には映画ないんですか?」 「あり・・禁則事項です」 「・・・じゃあ恋愛ものでも観ましょうか」 といって手を握ってくれた、このお願いはずっときいてくれるみたい 映画館について見た映画は軍人さんと恋人のお話で最後は彼が戦場で死んじゃって でも女の人のお腹には赤ちゃんがいて一人で育てるってなったんだけど実は 彼は生きていたっていうとってもいいお話でわたしは涙が止まらなかった 「どうでした?」 「う・・・う・・う」 涙が止まらない、こんなんじゃ彼に嫌われちゃう、泣いてばっかりじゃ・・・ 「朝比奈さん」 彼が抱きしめてくれた・・・もっと涙が止まらなくなる 「涙が止まるまでこうしてますから」 途中からは映画のことなんて考えてなかった、 彼と離れたくない、もう未来なんて帰れなくていい、家族に会えなくても彼と いられるのなら構わない、 ずっとこのまま・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「もう、大丈夫」 どれくらい経ったかわからないけど、ずっと彼は抱きしめていてくれた 「もう大丈夫だから」 彼は離してくれない 「・・・俺は朝比奈さんを離しませんから、なにがあっても絶対離れませんから」 彼の声はなぜか震えていた 「キョン君?」 「約束してください俺から離れないって」 「どうしたの?」 「・・・約束してください」 彼の声がいつになく真剣だった 「はい、離れません約束します」 「・・・・なんてね、映画を観たらカッコいいこと言いたくなっただけです」 「ホント?」 「ホントです、あ、この会話今日三回目ですよ」 「ホント?」 「何回やる気ですか?そろそろいきましょう、腹も減ってきましたし」 「はい」 彼と並んで歩く、もちろん手は繋いだまま いつかまた 手を繋いで街を歩く、この時はまだ、別れがすぐそこに迫っているなんて わたしにはわからなかった。 「そろそろ帰りますか?」 時計を見るともう六時、 「そうですね」 家についたときはもう七時近くになっていた、 玄関を開けたると彼が不意に言った 「今日泊まってもいいですか?」 「え?でも明日学校ですよ?」 彼の目はとても真剣で、でもなぜか涙を堪えているようだった 「離れたくないんです」 と言ってわたしを抱きしめた 「・・・離れたくないんです」 彼の体は震えていた 「わたしは構わないけど・・・今日のキョン君なんか変だよ?」 「気のせいですよ、ちょっと疲れただけです」 やっぱりなにか変、なにかあったのかな 「俺もう腹減っちゃいまして、なんか作ってください」 わたしから離れた彼の目はいつもの優しい目に戻っていた 「それじゃあ美味しいご飯作るから待っててね」 「手伝いますよ、鍋振るくらいならできますから」 「はい、じゃあお願いします」 初めて二人でつくった夕飯はとっても美味しくて、幸せってこういうことを いうんだと思った お茶を飲みながら他愛のない会話をする、ふと時計を見るともう10時になっていた 「お風呂汲んできますね」 わたしがソファーから立ち上がると彼がわたしの手を掴んで言った 「今日は離れないでください」 「でも」 「いいから」 と言って唇を重ねてきた 「せめてシャワー・・・」 「いいから!」 「あ・・・」 そのまま彼と愛し合った、何度も、何度も、お互いの存在を確かめるように 「・・・だ!!・・・・でも止・・・」 どうしたんだろう、大きい声を出して 「いくらあなたの言うことでも俺は絶対に嫌だ!!」 目を開けると彼が誰かと言い争っている、誰だろうあの女の人は 「どうしたの?」 彼は驚いた顔でこっちを見ている、 「起きちゃったのね、でもそれも既定事項です」 どこかで聞いたことのある声 「あなたは誰?どうしてわたしの家にいるの?ねえキョン君!」 彼は黙って女の人を睨んでいる 「わたしは5年後のあなた、あなたを本来の時間に連れて帰るためにきました」 「え?」 「これ以上あなたがキョン君と一緒にいるととってもまずいことになるのは あなたもわかるでしょう?」 「そんなこと関係ない!!俺は朝比奈さんと一緒にいたいんだ!!」 黙っていた彼が急に怒鳴った 「俺は絶対に朝比奈さんを離さない!!」 彼が痛いくらい強くわたしを抱きしめる 「ごめんねキョン君、でもこの時間のわたしが未来に帰ることは既定事項なの だってわたしもそうやってあなたと別れたから」 「嫌だ!!」 「朝比奈みくる、第一級厳礼です、わたしと一緒に帰ります」 「だめだ!!」 痛いよキョン君・・・ 「ごめんねキョン君・・・わたしの意思に関係なく第一級厳礼は遂行しなくちゃ ならないの・・・」 「・・・朝比奈さん?」 わたしの肩が彼の涙で濡れる、泣かないで、わたしも耐えられなくなるから 「ごめんなさい、わたしも帰りたくないの、でも・・・・」 「離れないって約束したじゃないですか!」 「・・・・ごめんなさい」 「朝比奈さん!いかないって言ってください!!」 ・・・もう耐えられない 「わたしだってキョン君と離れたくない!キョン君とずっと一緒にいたい!でも 仕方ないの!わたしの力じゃどうにもできないから!」 「未来は不確定だって言ったじゃないですか!!じゃあ俺とずっと一緒にいる ことだってできるはずだ!」 「TPDDで過去に来る時に命令には逆らえないようにするの、 それは本人の意思ではどうにもできないこと、うまく言語化できないけど 絶対に破れない誓いみたいなもの、だからだめなのキョン君、 わたしでもどうにもできない、未来が変わってしまうから」 未来のわたしも泣いていた 「わたしだってこんなことしたくないの・・・でも既定事項だから」 「そんな既定事項なんておれには関係ない!」 「ごめんなさい・・・ごめんなさい」 「なんで謝るんですか!?駄目です!!絶対に嫌だ!!」 「ごめんねキョン君・・・・」 「あ・・・」 わたしを抱きしめる力が急に弱くなった 「彼には眠ってもらいました・・・ごめんね」 彼から離れると彼はそのままベッドに仰向けに倒れた 「帰るから準備して」 「わかりました・・・じゃあ服を着るからちょっとまっててください」 泣いたって仕方ない・・・いつか未来に帰らなきゃならないことはわかっていたから けど、もっと一緒にいたかった、もっと話したかった、もっと見ていたかった。 必死に涙をこらえようとする 「我慢しなくていいのよ?泣きたい時は泣かないと、それにこれが永遠の別れになる わけじゃないから」 未来のわたしが抱きしめてくれた・・・ 「う・・うぅ・・・・うぅぅ」 どれくらい泣いただろう、もう一生分泣いたと思う、けどまだ涙が止まらない 「そろそろいかないと、最後にしたいことがあるでしょう?」 未来のわたしも泣いている、わたしは5年経っても泣き虫なんだな・・・・ 最後にしたいこと・・・手紙を書こう、わたしの時代には手紙なんてないけど 思いを伝えるのには一番いい方法だから・・・ 「はい、書けました・・・ホントに彼に会うのはこれで最後じゃないですよね?」 未来のわたしに問い掛ける 「ええ、現にこうしてわたしが彼と会ってるでしょう?」 なんでこんな簡単なことに気が付かなかったんだろう 「でも・・・五年経たないと会えないんですか?」 「・・・それは禁則事項。あなたの頑張り次第よ」 頑張り次第、か・・・・でも会えないわけじゃないと思うと少しだけ楽になった 「それじゃあいきますよ?」 「あ・・・最後に」 寝ている彼に布団をかけてわたしは最後のキスをした・・・ 部室で 五年前に未来のわたしは頑張り次第と言ったけど、 結局五年経ってしまった。でもやっと彼に会える、彼の声が聞ける。 さっき授業の終わりの鐘が鳴ったからそろそろくる頃かな 最初になんて言おう、でも今から会う彼はわたしのことをまだほとんど 知らないんだ・・・そうだわたしとあんまり仲良くしないでって言っておこう あの日が少しでもつらくならないように・・・・ 終わり
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/2238.html
真夜中のテレフォン 過去にやってきて随分たった、お母さんとお父さんは元気かな・・・・ やっぱり家族にずっと会えないで一人でいるのは寂しい。 そうだ彼に電話をしてみよう、彼ならこの寂しさを紛らわせてくれるから・・・ 「もしもしキョン君?」 『こんばんは朝比奈さん、どうしたんです?』 なぜかわからないけど彼の声を聞くと安心する 「ごめんなさい、こんな時間に電話しちゃって・・・迷惑ですよね?」 『朝比奈さんからの電話ならテスト中だって迷惑じゃありませんよ』 受話器越しに彼の優しさが伝わってくる・・ふと涙がこぼれた 「・・・ありがとう」 『なにかあったんですか?俺でよかったら相談にのりますよ』 彼はいつもわたしのことを心配してくれる、なんの役にもたてないこんなわたしを 「ううんなんでもないの・・・ただキョン君の声が聞きたくなって」 いきなりこんなこと言ったら彼を困らせてしまうことはわかってる、 わたしが彼とこれ以上仲良くしちゃいけないこともわかってる、 でも・・・ 「ごめんなさいごめんなさい、今のは忘れてください!」 『・・・・こんな声でいいならいつだって電話してください。喜んでお相手しますから」 優しい言葉に涙がとまらない、こんなに弱い自分が情けなくなる。 誰の役にも立てなくて、迷惑をかけることしかできなくて・・・・ 「それじゃ・・・これからもたまに電話してもいいですか?」 なにを言ってるんだろうわたしは、こんなこと許されるわけもないのに、 でもせめて電話くらい、それくらいなら・・・ 『もちろんですよ、むしろ毎日かけてほしいくらいですね』 「それじゃ・・・また明日」 『はい、それじゃ』 電話が切れた途端にまた無性に寂しくなる・・・早く明日にならないかな、 彼の声が聞きたいから 幸せな日常 翌日 [コンコン] ノックするのは彼か古泉くんしかいません、昨日あんな電話したからまだ彼の顔を見る 心の準備ができてない、どうか古泉くんでありますように 「はーい」 少し声が上ずっちゃった気がする、今彼が入ってきたら赤面しちゃうこと 間違いなしです 「こんにちは朝比奈さん」 よかった、入ってきたのは古泉くんだった、でもちょっと残念、はやく彼の 声が聞きたい 「こんにちは古泉くん、今お茶煎れるんでちょっと待っててくださいね」 古泉くんは礼儀正しく会釈をしていつもの様に一人でチェスを始めた、 一人で練習かな?でも彼にいつも負けているのはなんでだろう、彼はそんなに 強いのかな、それともいつもわざと負けてるのかな? [コンコン] ノックの音がした、ああどうしよう、どんな顔をして彼に会えばいいのかわからない、 どうしようどうしよう、でもいつまでも放っておくこともできないし古泉くんが どうしたんですかと声をかけてくるし、早くドアを開けないと [ガチャ] ドアを開けると彼が立っていた 「あれ?いたんですか朝比奈さん、返事がないからてっきりだれもいないかと」 なんでだろう、彼の声を聞いただけでさっきまでの不安が消えて 幸せな気分になれる 「ご、ごめんなさい、お茶がのどに入ってお返事できなくて」 彼もわたしが下手な嘘をついてるのはすぐにわかったと思う、でも 「そうですか、変なタイミングでノックしちゃって俺のほうこそすいません」 と言って微笑んでくれた。思わずわたしも微笑んでしまう、古泉くんが変な目でこっち を見ていることも気にならない 「今お茶煎れますから」 彼はまた微笑んで古泉くんの正面に座る。彼のためにとびっきりのお茶を煎れてあげよう、 彼の喜ぶ顔が見たいから、わたしにはこれくらいしかできないから 「はいどうぞ」 彼と古泉くんの前にお茶をおく、彼はとってもおいしそうにお茶を飲んでくれる。 わたしもすごく嬉しくなる 「どうですか?」 「とっても美味しいですよ」 古泉くんもおいしいと言ってくれたけどほとんど耳に入ってこない、彼の笑顔を 見るのに忙しかったから イスに座って彼と古泉くんのチェスを観戦する、でも本当は彼の顔しか目に入らない、 不意に彼がこっちを見た・・・・彼は目をそらそうとしない、わたしもそらさないで 見つめる、こんなところ涼宮さんに見られたら大変ですね、今日は涼宮さんこないと いいのになぁ・・・・ [ガタン!] 「ヤッホー、みくるちゃんお茶ちょうだい!」 涼宮さんが元気良く言った、はぁ・・・ ずっと彼のことを見ていたいのにな、仕方ないですね、 「はいはいただいま」 と言ってお茶を煎れる、3秒でおかわりをする涼宮さん、せっかく煎れたんだから もうちょっと味わって飲んで欲しいな、もう 「ん?どうしたのみくるちゃん、あたしの顔になんかついてる?」 「な、なんでもないですぅ」 「そう」 涼宮さんの勘の鋭さにはびっくりです、気をつけないと。 イスに座ってまたチェスを観戦、やっぱり今日も彼の勝ち、なるべく彼の顔をボーっと 見ないように気をつけたけどついつい見ちゃった、でも涼宮さんはパソコンをいじるのに 夢中で全然気がついてないみたい。このまま時間が止まればいいのにな・・・・ 長門さんが本を閉じて今日の部活は終わり、みんなが部室を出て行った後で制服に着替えて 昇降口に向かうとそこには彼が立っていた。 「どうしたんですか?」 「朝比奈さんの様子が気になりまして」 彼はわたしのことを心配して待っていてくれたみたい 「でも・・・・こんなところ涼宮さんに見られたら大変ですよ?」 「どうしてです?」 「どうしてですって去年にあったことを忘れたんですか?」 「大丈夫ですって、別に一緒に帰ってるところを見たくらいで世界が終わるなんてこと ないでしょう」 「で、でも」 「あんな奴のことなんて気にすることないんですよ、それよりなにかあったんですか?」 彼に見つめられると嘘がつけなくなる・・・ 「・・・・寂しくって」 「・・・・え?」 「そ、その、家族のことを考えてたら急に寂しくなっちゃいまして・・・・・・ ごめんなさい」 「謝らないでください、むしろそんな時に電話してもらえるなんて嬉しいですよ」 「・・・ホントですか?」 「もちろんですよ」 なんで彼はこんなに優しいんだろう、わたしは上を向いて走り出す 「どうしたんですか?」 「・・・・・・なんでもないんです、なんでも」 彼がどんな顔をしているのかはわからない、 上を向いてないと涙がこぼれてしまうから、彼を困らせてしまうから・・・ ある雨の日 それから毎日電話をかけた 彼はわたしの話を聞いてくれる、彼のことを話してくれる この関係が続けばいいと思う、でももっと彼に近づきたいと思う自分がいる 許されないとはわかっているけど・・・・ 『・・・・なさん?朝比奈さん?』 「あ、すいませんボーっとしちゃって、なんの話だった?」 『明日は暇ですか?って聞いたんです、もしかして予定入ってます?』 「え!?・・・・暇だけどどうして?」 わかる気がするけど聞いてみる 『映画でもどうですか?』 とってもとっても嬉しい・・・けど二人で出掛けるなんて禁則中の禁則 「ごめんなさい、とっても嬉しいんだけど・・・」 『じゃあ遊園地なんてどうです?』 「それもちょっと・・・」 彼の声が少し寂しげになる、彼はなんにも悪くないのに 『・・・俺と二人で出掛けるのは嫌ですか?』 「そんなことないの・・・ただ」 『またハルヒですか?』 「・・・はい」 『ハルヒのせいで俺は朝比奈さんをデートに誘えないんですか?』 彼の声が怒りを帯びてきた、めったに怒ることなんてないのに わたしなんかのために怒ったりしないで 「仕方ないです、また世界が改変されることになったら大変だから」 自分に言い聞かせる 「わたしもキョン君と出掛けたいです、でもだめなんです」 『・・・・・』 彼は黙ってしまった 「キョン君?」 『・・・俺はあなたのためなら世界が終わっても構わない」 「え?」 『明日の10時に駅前で待ってますから』 「ち、ちょっとキョン君!?」 『すっと待ってますから、じゃあ』 と言って彼は電話を切った・・・どうしたらいいんだろう、 彼と出掛けられるのはとってもとってもとっても嬉しい、けど・・・ 翌日10時 [・・・ルル、プルルルルルル] 彼が電話にでてくれない、本当にわたしが行くまで待ってるのかな、行ったらもう この思いを止められなくなる、彼の優しさに溺れてしまう・・・ 12時 何回かけても彼はでてくれない 16時 彼はケータイの電源を切ったみたい・・・ 18時 雨が降ってきた・・・ 20時 やっぱり電話にでてくれない・・・ちょっと見に行ってみようかな、約束の時間を もう10時間も過ぎてるし、いなかったらもう彼に電話をするのはやめにしよう、 彼もわたしも傷つくだけだから、でももしまだ待っていたら・・・ 20分後駅前についた、傘を差してる意味がないくらいわたしはびしょ濡れ・・・ 「キョン君!!」 彼は土砂降りの雨の中立っていた、傘も差さずに震えながら、わたしは傘を投げ捨てて 彼に駆け寄る 「ごめんなさいキョン君!わたし・・・わたし」 「遅刻ですよ朝比奈さん、喫茶店代は朝比奈さん持ちですよ?」 彼はそう言って微笑んだ、震えながら、 わたしは彼に抱きついた、泣きながら・・・ 震える彼がわたしを抱きしめる、わたしは彼にキスをした、長い長いキス このまま時間が止まるように、彼をずっと放さないように。 約束 目を覚ますといつも一人だった、でも今日はちがう。 隣に彼がいる、彼の匂いがする、いつかは未来に帰らなきゃいけないこともわかってる、 でもこの幸せが永遠に続くと信じたかった。 ベッドからでて服を着ると彼の声がした 「おはようございます朝比奈さん」 なんだかとっても恥ずかしいな、でもすごく幸せ 「おはようキョン君」 彼の目が少し赤く腫れていた 「泣いてたの?」 「ゴミが入っただけです、今日は映画に付き合ってもらいますよ?」 彼は目をこすってちょっと恥ずかしそうに微笑む 「はい」 もう躊躇うことなんてない、彼と一緒ならどこだっていけるから 「じゃあ朝ご飯作りますから、なにか食べたい物あります?」 「朝比奈さんが作ってくれるなら何だって食べますよ」 「フフッ」 彼のために朝ご飯を作る、なんだかお嫁さんになったみたい。 わたしが作ったご飯を美味しそうに食べてくれる彼の顔を眺めていると、 彼のケータイが鳴った 「もしもし」 誰からの電話だろう、 「すまんな、今日は忙しいんだ」 お友達かな? 「俺にだって休日の予定くらいはあるんだよ」 あ・・・電話の相手がわかった、 「なんだっていいだろ、じゃあな」 彼は電話を切って微笑んだ 「ハルヒからです、いつもの不思議探しに行くって言うんで断ってやりました」 やっぱり涼宮さんだったみたい 「でも、それじゃ涼宮さん怒るんじゃ」 「いいんですよ別に、朝比奈さんは俺と映画に行くよりそっちのほうが よかったですか?」 彼はわざと悲しそうな顔で聞いてくる 「もう、わかってるくせに」 「ハハハ、そのうち朝比奈さんにも電話かかってくるんじゃないですかね。ちゃんと 断れますか?」 「わたしだって子供じゃないんだから、意地悪ばっかり言うとご飯下げちゃいますよ?」 「すいません・・・なんか新婚さんみたいですね」 彼が照れながら言った 結婚できないことなんて彼もわたしもわかってる、わかってるから今彼といられるこの 瞬間を精一杯過ごそう 「フフッそうですね」 彼と一緒に食器を下げて、彼と一緒にお茶を飲む、こんな時間をなによりも大切に。 「ハルヒから、電話かかってこないですね」 わたしといる時に涼宮さんのこと考えてたのかな 「そうですね、なんでだと思う?」 わたしはわかる気がするけど彼はどうだろう 「どーせ俺がいないと自分が奢るハメになるからとかそんなとこでしょ」 ・・・やっぱり彼はわかってないみたい、ホントにそういうところは鈍感な人 「朝比奈さんはどう思います?」 「わ、わたし?」 どうしよう、もしホントのことを言ったら・・・ 「わたしもキョン君の言った通りだと思います」 「ハハ、やっぱりそう思いますか」 彼に嘘をついてしまった、だってホントのことを言ったら彼の心が涼宮さんに 傾いてしまうかもしれないから、彼を誰にも渡したくないから。 お茶を飲み終わって一緒に家を出る、彼と二人で出掛けるのはわたしが誘拐 されそうになった時以来かな? あの時のことは殆ど覚えてないけど彼の温もりと匂いは覚えてる、 目が覚めたら彼にオンブされてて、でも長門さんがいたから恥ずかしくって すぐにおろしてもらった、もうちょっと彼にオンブしてもらってたらよかったな、 そうだ、恥ずかしいけど今頼んでみよう、ここの道なら人通りが少ないから 「朝比奈さん観たい映画あります?」 「オ、オンブしてください」 彼が言うのと同時だった 「え!?」 「え!?」 どうしよう、彼がびっくりした顔で見てる 「な、なんでもないです」 恥ずかしくてすっごく顔が熱い、言わなければよかった 「朝比奈さん」 彼を見ると 「はいどうぞ、朝比奈さんのお願いならなんだって叶えますよ、俺ができることなら」 と言ってしゃがんでくれた。 すこし躊躇って彼の背中に乗る、やっぱり恥ずかしいな 「どこまでいきますか?お姫様」 「それじゃああそこの曲がり角まで」 「わかりました」 彼の体温が伝わる 「キョン君あったかくてとってもいい匂いがする」 「朝比奈さんにはかないませんよ」 「フフッ」 あっという間に曲がり角 「着きましたよお姫様」 「まだ降りたくないです」 「それじゃあ駅までいきますか?」 「重くない?」 「ぜんぜん重くなんてありませよ」 「じゃあお願い」 「よろこんで」 角を曲がると結構人通りが多くなる 「キョン君わたし達すごい目立ってない?」 「じゃあここで降りますか?」 「降りません」 「わがままなお姫様だ」 「嫌いになった?」 「むしろもっとわがままを言ってほしいくらいですよ」 「・・・じゃあ今日一日わたしの言うことをなんでもきいてください」 ちょっと調子に乗りすぎたかな 「わかりました」 「ホント?」 「ホントです」 オッケーしてくれるとは思わなかった、ホントにいいのかな 「約束ですよ?」 「約束です」 約束してくれた・・・・・・何をお願いしようかな、そうだ 「今日一日敬語は禁止です」 「禁止ですって朝比奈さんも使ってるじゃないですか」 「いいから今日は禁止!いい?」 「わかりました」 「ちがうでしょ?」 「・・・わかったよ」 「フフッ」 「もう駅だよ」 ちょっと困ったように彼が言った、さすがに駅前は人が多いから彼から降りる 「切符買ってくるからちょっと待っててくれ」 敬語じゃない彼は新鮮で、ちょっと面白いな 「じゃあいこうか」 「もう一つお願い」 「なんですか?」 「・・・・」 「なに?」 「手つないで」 「これでいいか?」 と言ってわたしの手を握る 「あったかいね」 「ああ」 「男の人と手を繋いで歩くなんて初めて」 「ホントに?」 「ホントに」 「俺がはじめてなんですか?」 「うんはじめて」 「はなはだしく意外ですね」 「前にもこんな話しなかった?」 「しましたっけ」 初めての不思議探索、わたしの正体を彼に告げたとき、彼は驚いてたけど決して わたしが嘘をついてるなんて言わなかった・・・あの時から彼のことを好きだったのかも しれない。 「電車来たみたいですね」 「・・・あ、敬語」 「すいません、やっぱりタメ口は慣れなくて」 「喋りづらい?」 「かなり」 「じゃあ敬語禁止タイムは終わり、普通に喋っていいですよ」 「よかった、助かりましたよ、正直途中から敬語で喋ってませんでしたけど 朝比奈さん気付かないから」 「ホント?」 「ホントです」 「もう」 「ハハハ」 やっぱり彼といると時間がたつのがはやい、もう駅についた 「なにか見たい映画ありますか?」 改札を出たところで彼が言った 「わたし映画って見たことないから」 「未来には映画ないんですか?」 「あり・・禁則事項です」 「・・・じゃあ恋愛ものでも観ましょうか」 といって手を握ってくれた、このお願いはずっときいてくれるみたい 映画館について見た映画は軍人さんと恋人のお話で最後は彼が戦場で死んじゃって でも女の人のお腹には赤ちゃんがいて一人で育てるってなったんだけど実は 彼は生きていたっていうとってもいいお話でわたしは涙が止まらなかった 「どうでした?」 「う・・・う・・う」 涙が止まらない、こんなんじゃ彼に嫌われちゃう、泣いてばっかりじゃ・・・ 「朝比奈さん」 彼が抱きしめてくれた・・・もっと涙が止まらなくなる 「涙が止まるまでこうしてますから」 途中からは映画のことなんて考えてなかった、 彼と離れたくない、もう未来なんて帰れなくていい、家族に会えなくても彼と いられるのなら構わない、 ずっとこのまま・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「もう、大丈夫」 どれくらい経ったかわからないけど、ずっと彼は抱きしめていてくれた 「もう大丈夫だから」 彼は離してくれない 「・・・俺は朝比奈さんを離しませんから、なにがあっても絶対離れませんから」 彼の声はなぜか震えていた 「キョン君?」 「約束してください俺から離れないって」 「どうしたの?」 「・・・約束してください」 彼の声がいつになく真剣だった 「はい、離れません約束します」 「・・・・なんてね、映画を観たらカッコいいこと言いたくなっただけです」 「ホント?」 「ホントです、あ、この会話今日三回目ですよ」 「ホント?」 「何回やる気ですか?そろそろいきましょう、腹も減ってきましたし」 「はい」 彼と並んで歩く、もちろん手は繋いだまま いつかまた 手を繋いで街を歩く、この時はまだ、別れがすぐそこに迫っているなんて わたしにはわからなかった。 「そろそろ帰りますか?」 時計を見るともう六時、 「そうですね」 家についたときはもう七時近くになっていた、 玄関を開けたると彼が不意に言った 「今日泊まってもいいですか?」 「え?でも明日学校ですよ?」 彼の目はとても真剣で、でもなぜか涙を堪えているようだった 「離れたくないんです」 と言ってわたしを抱きしめた 「・・・離れたくないんです」 彼の体は震えていた 「わたしは構わないけど・・・今日のキョン君なんか変だよ?」 「気のせいですよ、ちょっと疲れただけです」 やっぱりなにか変、なにかあったのかな 「俺もう腹減っちゃいまして、なんか作ってください」 わたしから離れた彼の目はいつもの優しい目に戻っていた 「それじゃあ美味しいご飯作るから待っててね」 「手伝いますよ、鍋振るくらいならできますから」 「はい、じゃあお願いします」 初めて二人でつくった夕飯はとっても美味しくて、幸せってこういうことを いうんだと思った お茶を飲みながら他愛のない会話をする、ふと時計を見るともう10時になっていた 「お風呂汲んできますね」 わたしがソファーから立ち上がると彼がわたしの手を掴んで言った 「今日は離れないでください」 「でも」 「いいから」 と言って唇を重ねてきた 「せめてシャワー・・・」 「いいから!」 「あ・・・」 そのまま彼と愛し合った、何度も、何度も、お互いの存在を確かめるように 「・・・だ!!・・・・でも止・・・」 どうしたんだろう、大きい声を出して 「いくらあなたの言うことでも俺は絶対に嫌だ!!」 目を開けると彼が誰かと言い争っている、誰だろうあの女の人は 「どうしたの?」 彼は驚いた顔でこっちを見ている、 「起きちゃったのね、でもそれも既定事項です」 どこかで聞いたことのある声 「あなたは誰?どうしてわたしの家にいるの?ねえキョン君!」 彼は黙って女の人を睨んでいる 「わたしは5年後のあなた、あなたを本来の時間に連れて帰るためにきました」 「え?」 「これ以上あなたがキョン君と一緒にいるととってもまずいことになるのは あなたもわかるでしょう?」 「そんなこと関係ない!!俺は朝比奈さんと一緒にいたいんだ!!」 黙っていた彼が急に怒鳴った 「俺は絶対に朝比奈さんを離さない!!」 彼が痛いくらい強くわたしを抱きしめる 「ごめんねキョン君、でもこの時間のわたしが未来に帰ることは既定事項なの だってわたしもそうやってあなたと別れたから」 「嫌だ!!」 「朝比奈みくる、第一級厳礼です、わたしと一緒に帰ります」 「だめだ!!」 痛いよキョン君・・・ 「ごめんねキョン君・・・わたしの意思に関係なく第一級厳礼は遂行しなくちゃ ならないの・・・」 「・・・朝比奈さん?」 わたしの肩が彼の涙で濡れる、泣かないで、わたしも耐えられなくなるから 「ごめんなさい、わたしも帰りたくないの、でも・・・・」 「離れないって約束したじゃないですか!」 「・・・・ごめんなさい」 「朝比奈さん!いかないって言ってください!!」 ・・・もう耐えられない 「わたしだってキョン君と離れたくない!キョン君とずっと一緒にいたい!でも 仕方ないの!わたしの力じゃどうにもできないから!」 「未来は不確定だって言ったじゃないですか!!じゃあ俺とずっと一緒にいる ことだってできるはずだ!」 「TPDDで過去に来る時に命令には逆らえないようにするの、 それは本人の意思ではどうにもできないこと、うまく言語化できないけど 絶対に破れない誓いみたいなもの、だからだめなのキョン君、 わたしでもどうにもできない、未来が変わってしまうから」 未来のわたしも泣いていた 「わたしだってこんなことしたくないの・・・でも既定事項だから」 「そんな既定事項なんておれには関係ない!」 「ごめんなさい・・・ごめんなさい」 「なんで謝るんですか!?駄目です!!絶対に嫌だ!!」 「ごめんねキョン君・・・・」 「あ・・・」 わたしを抱きしめる力が急に弱くなった 「彼には眠ってもらいました・・・ごめんね」 彼から離れると彼はそのままベッドに仰向けに倒れた 「帰るから準備して」 「わかりました・・・じゃあ服を着るからちょっとまっててください」 泣いたって仕方ない・・・いつか未来に帰らなきゃならないことはわかっていたから けど、もっと一緒にいたかった、もっと話したかった、もっと見ていたかった。 必死に涙をこらえようとする 「我慢しなくていいのよ?泣きたい時は泣かないと、それにこれが永遠の別れになる わけじゃないから」 未来のわたしが抱きしめてくれた・・・ 「う・・うぅ・・・・うぅぅ」 どれくらい泣いただろう、もう一生分泣いたと思う、けどまだ涙が止まらない 「そろそろいかないと、最後にしたいことがあるでしょう?」 未来のわたしも泣いている、わたしは5年経っても泣き虫なんだな・・・・ 最後にしたいこと・・・手紙を書こう、わたしの時代には手紙なんてないけど 思いを伝えるのには一番いい方法だから・・・ 「はい、書けました・・・ホントに彼に会うのはこれで最後じゃないですよね?」 未来のわたしに問い掛ける 「ええ、現にこうしてわたしが彼と会ってるでしょう?」 なんでこんな簡単なことに気が付かなかったんだろう 「でも・・・五年経たないと会えないんですか?」 「・・・それは禁則事項。あなたの頑張り次第よ」 頑張り次第、か・・・・でも会えないわけじゃないと思うと少しだけ楽になった 「それじゃあいきますよ?」 「あ・・・最後に」 寝ている彼に布団をかけてわたしは最後のキスをした・・・ 部室で 五年前に未来のわたしは頑張り次第と言ったけど、 結局五年経ってしまった。でもやっと彼に会える、彼の声が聞ける。 さっき授業の終わりの鐘が鳴ったからそろそろくる頃かな 最初になんて言おう、でも今から会う彼はわたしのことをまだほとんど 知らないんだ・・・そうだわたしとあんまり仲良くしないでって言っておこう あの日が少しでもつらくならないように・・・・ 終わり
https://w.atwiki.jp/negiijime2/pages/256.html
学生寮への帰り道。神楽坂明日菜、桜咲刹那、そして近衛木乃香の3人は並んで歩いていた。 「・・・お嬢様、最近顔色がすぐれないようですが、どこかお体の調子が悪いのですか・・・?」 「ん、そうかえ?別にいつもとかわらんよー」 「それならよろしいのですが・・」 「でも木乃香、最近少し元気ないんじゃない?・・・もしなんか悩んでる事あったら私たちに言ってよね」 「そないな事ないよー。うちは元気やって!」 3人のそんな会話が続いたその時。 ド~シラソ~ ソラソファミレミ~♪ 突然着メロが鳴り、木乃香の携帯がメールの受信を告げた。 その音を聞いた途端、木乃香の身体は「ビクッ」と震え上がり硬直する。 「ははっ、驚きすぎだから」 明日菜が彼女のオーバーなリアクションを笑ったが、当人にとっては笑い事ではなかった。 木乃香は携帯の画面を恐る恐る覗き込み、その表情をさらに硬くする。 「誰から?最近やたら携帯覗いてるけど、まさか・・・・男!?」 「い・・異性の友人ですか(どんな男だ!?)」 「そ、そんなんやないって」 「じゃあなんで隠すのよ。ちょっと見せなさいって」 「い、いけません明日菜さん、これはお嬢様の個人的な・・・(いや、しかし確認しておく必要が・・・・ッ!!)」 「駄目や!駄目!」 急いで携帯をしまい。メールを二人に決して見せようとはしない木乃香。 そのメールは彼女の知らないアドレスから無題で送られており、本文にはひたすら 『コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス・・・ 』 の三文字が並んでいた。 木乃香の元にこの様なメールが送られて来たのは今回が初めてではない。 ニ週間程前から一日に何件も、見知らぬアドレスから同様の『死ね』『コロス』などの言葉が連呼されたメールが 携帯に送られて来る上、非通知からの無言電話も頻繁にかかってくる。 始めは誰かのつまらないイタズラで、暫くすれば収まると楽観的に考えていた木乃香だったが 無言電話も脅迫メールも止む気配はなく、それどころか日に日に増えていく一方であった。 非通知からの着信を拒否したので無言電話はようやくかかってこなくなったが、 メールのほうは受信を拒否してもすぐさま違うアドレスから大量のメールが届く。 木乃香は流石に気味が悪くなり、真剣に悩んだが、余計な心配をかけたくないと誰にも相談出来ずにいた。 特に本気で心配し、親身になってくれるだろう友人には逆に相談しにくいのだ。 (メアド変えるしかないね・・・・・ウチ、なんか人に嫌われるような事したんかなぁ・・) その日の夜、携帯を持っているクラス全員に木乃香からのメールが届いた。 『近衛 木乃香どすえ。アドレスを変えましたえ。 (*゚ー゚)ノシ ヨロシュウナ』 「あいつメールでも京都弁なのか・・・どすえって・・・」 と、普段木乃香とメールのやり取りの無い長谷川千雨が独り言をもらす。 「ふぁ~、なんか今夜は久々によう眠れそうやな・・・・」 アドレスを変えたことで迷惑メールに悩まされる心配がなくなり、安堵の声を漏らす木乃香。 同室の明日菜とネギの朝は早いためもう眠りについているようだ。 木乃香も寝ようと布団に潜り込むんだその時。 ビイィ・・・ ビイィ・・・ ビイィ・・・ 部屋に振動音が鳴り響く。木乃香の携帯だ。 昼間は回りの喧騒にかき消されるその音も、夜の静かな室内でははっきりと聞こえてくる。 「ん~?なんかまた携帯鳴ってるみたいよ~」 ベッドの上から明日菜の声。起こしてしまったようだ。 木乃香はあわてて半身を起こし、携帯に手を伸ばす。 「こんな夜中に誰や~・・・・・・・っっ!!」 『非通知着信』 「ひっ・・な、なんで。着信拒否・・したんに・・・!!」 木乃香は恐怖のあまり電話に出ることが出来ない。出なくても解る。あの無言電話だ。 ビイィ・・・ ビイィ・・・ ビイィ・・・ 「どうしたの~木乃香?早く出なよ~」 彼女の携帯の振動はいつまでも止まらなかった。 「い・・・いやぁあ!!」 木乃香はたまらず携帯の電源を切り、床に放る。 「木乃香?どうかしたの・・・?」 「なんでもない・・・なんでもないえ・・・!!」 すでに、夢の世界に片足を突っ込んでいた明日菜はそれ以上追及する事はなく、すぐさま再び眠りについた。 一方、木乃香は布団の中で震え続け、中々眠る事が出来なかった。 翌朝、寝不足な目を擦りながら目覚める木乃香。 いつもは明日菜達につられて早起きするのだが今朝は既に7時半を回っていた。 ふと、床に目をやると、昨日電源を切り投げ捨てる様にした携帯が目に入り、昨晩の恐怖が蘇る。 それでも彼女は、携帯を手に取った。 いくら恐ろしくとも女子学生にとって携帯は必需品であり、電源を切ったままにはできない。 木乃香が電源のボタンを押すと、真っ暗だった画面に光が灯る。 「メール・・・来とるかな・・・」 アドレスを変え、迷惑メールを受信しないようになれば夜間にメールは殆ど来ないはずの木乃香であったが、 電源を切っていた間にもしかすると大事なメールが来ているかもしれないと、センターに問い合わせる。 そして暫し待った次の瞬間、木乃香は再び息を呑んだ。 「・・・・・・!!ひっっ・・・・・!!」 『 受信メール 78件 』 一晩で異常な数のメールが一方的に届いていた。・・・内容は確認するまでもない。 「な、なんで!なんでや!・・・変えたんに、メアド変えたんに!」 木乃香は恐怖にとうとうパニックに陥り泣き出した。 「木乃香~、いい加減起きた~!?」 それぞれ朝錬とバイトを終えたネギと明日菜が学校の準備の為に部屋に戻ってくると、そこには 身を縮め震えている木乃香の姿があった。 次へ?
https://w.atwiki.jp/morming/pages/5.html
連絡先 名前 メールアドレス 内容
https://w.atwiki.jp/yuiazu/pages/330.html
♪~ メール受信の音がして、私は携帯を手に取る。ディスプレイに表示されている文字は、 『唯センパイ』 From 唯センパイ Sub ねえねえ プリンに醤油かけて食べるとウニの味になるって本当!?試してみようかな? 「ふふっまた変なことして…」『やってみたらどうです?私は無いと思いますケド』カチカチ 私は今、唯先輩とメールしている。いや今どころじゃなくて、毎日かな。そう殆ど毎日メールしている。 別に学校で話してないわけじゃないんだけど、メールだとちょっと勝手が違う。よくメールだと性格が変わる人がいるけど、 私もそうなのかな。面と向かって話すときはどうしても、素直になれない自分がいて、だけどメールなら、ほんのちょっと素直に話せる気がする。そう、私の思い人にも…。 最初は『今日の反省』なんて銘打って、帰宅後唯先輩にメールを送っていた。でもこれは口実で、もっと彼女と話がしたかった。 唯先輩はそんな私のメールをいつも返してくれた。いつしか反省なんて内容は飛んで行って、毎日のメールが日課となっていた。 両親や、同級生の憂や純達を差し置いて、私の携帯の受信ボックスは『唯センパイ』の文字で溢れていた。付き合ってるんじゃないかってくらいに。 「あっ返信来た」 From 唯センパイ Sub やっぱり 普通に食べたほうがおいしいよね~♪私ウニの味知らなかったし! 「もうこの人は」『知らなかったんですか!?意味無いです><』カチカチ こんなささいなやりとりが、とても嬉しい。唯先輩と二人だけの会話、私に宛てた、手紙。 …私は唯先輩が好きだった。彼女に恋していた。 From 唯センパイ Sub どうしよ~ 間違えて憂のプリン食べちゃったよぉ!私昨日食べたの忘れてたよ… 「…」 最初はだらけた先輩だなぁなんて思ってたけど、一緒に演奏して、お茶飲んで、合宿して、彼女の魅力に気付いた。 ぎゅってされるのは恥ずかしいけど、その温もりが大好きで、気がつくと目で追っていて、彼女の事を思うだけで、胸が苦しくなって。 演奏している時も、帰る時も、ずっと唯先輩の隣に居たくて、話したくて。だからメールも毎日して。 今の私は幸せだった。毎日があなたと一緒に回っている。あなたの隣にいる。それがとても嬉しい。 だから、メールとか、会話の中にさりげなく私の想いを込めているんだけど、彼女には伝わって無いみたい。 けれどもきちんと伝える勇気は、私にはなかった。私は女の子。彼女もまた、女の子。もし気持ちを伝え、彼女にその気がなかったら…。 今の関係は間違いなく壊れる。貴女の隣にはいられない。そんな怖い事、出来なかった。 だけど、受験シーズンに入ってからは会える時間も少なくなって。勉強の邪魔にならないよう、メールも控えめにしている。 携帯を手に取り、受信ボックスを開いては、閉じる。彼女に会える時間が減り、考える時間が増えた。 唯先輩は、私の事どう思ってるのかな…。毎日のようにメールくれて、抱きしめてくれて。…好きでいてくれてるのかな? 「…よしっ」 本格的に受験が始まる前に、会えなくなる前に、確かめてみよう。出来る範囲で、彼女の気持ちを。 『受験勉強の邪魔だったらごめんなさい。できたら、1日位遊びに行きませんか?』 「ふい~今日は楽しかったよあずにゃん!」 「わ、私もです。勉強忙しいところ付き合ってくれてありがとうございます」 「ううん。私もいいリフレッシュになったし、なによりあずにゃん分を補給出来たからね!私まだ戦えるよ!」フンスッ 「もう何言ってるんですか…」 夕暮れ時の公園のベンチに座り、夕焼けに照らされた先輩は眩しいくらいの笑顔を向ける。 それはとても綺麗で、つい見とれてしまった。 「…」ポー 「どうかした?」 「あ、いえなんでも」 「そう?、あ、鳩だ!」 今なら、この笑顔の前なら、聞ける気がする。 「あの」 「んー、なあに?」 「…唯先輩は、どんな人が好みなんですか?」 「ふぇ?いきなり言われても…。うーん、えーと……ずっと一緒にいてくれて、好きでいてくれて、守ってくれる人、かな」 「そ、そうなんですか」 胸がチクリと痛む。唯先輩を守ってくれる…やっぱりそれって、男の人なのかな。私とは、違う…。 「でもどおして?」 「い、いやちょっと参考程度に…」 「そっかー。うーんあずにゃん恋しちゃってるの~?」 「い、いえそんなわけじゃ///」 唯先輩はそんな私を見ると、ふっとほんの少しだけ微笑んで、抱きしめた。 「ちょ、こんなところでよしてください///」 「あずにゃんは?」 「私ですか?私は…」 私を見つめる唯先輩の表情は、どこか真剣だった。 「私は、あったかい人です。一緒にいて暖かくなれる人…」 その時、私を抱きしめる唯先輩の体が一瞬強張るのを感じた。 もしかして伝わったのかな。でもさすがにこれだけじゃ、気づくはずはないけど。 「…そっか」 少しの沈黙の後唯、先輩が切り出す。 「あずにゃん、今日はありがとね」 「えっ」 「じゃあね」 「!!」 いつもよりもっと優しく、包み込むように抱きしめられていた私の耳元で、唯先輩は囁いた。 「…帰ろっか、あずにゃん!」 その日を境に、会う時間は極端に減っていった。 それから月日は過ぎ、先輩たちは無事受験を終え、気がつけば卒業式を翌日に控えていた。 私は自室のベッドに寝転がり、携帯の受信ボックスを開く。以前よりぐっと減った『唯センパイ』の文字を探す。 あの日以来、私は唯先輩と距離を置いていた。会えない日が続き、苦しかった。だけど私の脳裏にはあの時の言葉が焼き付いている。 私の恋は、終わったのかな。あの日は伝えきれなかったけど、先輩のあの言葉は…。 そんな苦しみも明日が最後、卒業すれば会えなくなって、きっと忘れることができるよね。そう、明日で全て終わり。 そう何度も言い聞かせているのに、もういいはずなのに、涙が止まらない。私の頭の中には常に、唯先輩がいる。 これから彼女は大学に進学して、いろんな人と出会って。あの人の隣には、私ではなく他の誰かがいて。 どうして…いやだよ、そんなの。私だって、貴女の事が大好きなのに。私も貴女も女の子だけど、それでも大好きなのに。 「会いたい…会いたいよ…唯先輩…」 いつまでたっても涙はとまらない。止める方法はたった一つだって事は、初めからわかっていた。 伝えよう、唯先輩に。叶わなくてもいい、笑顔でお別れできるように。 To 唯センパイ 『唯先輩、卒業式後音楽室へ来てください。待ってます』 ガチャ 「やっほー、あずにゃん」 「唯先輩、卒業おめでとうございます」 「ふふっありがとー」ダキッ 放課後の音楽室。貴女と入るのも、これが最後。 「あ、抱きつかないで、あの、そのまま聞いてください」 「ええーそんなあ」 あったかい。この抱擁の温もりも柔らかさも、最後かもしれない。でも、 「…最後に、言わなければならない事があるんです」 伝えなきゃ。 「あずにゃん…」 唯先輩は私を離すと、数歩下がって私を見つめる。 「唯先輩、私…」 声が震える。心臓の音が鳴り響く。彼女の顔を見る事が出来ない。怖い。 だけど、私の気持ちを伝える、最後のチャンスだから。これで最後なんだから。 私はぎゅっと拳を握りしめ、その言葉を告げる。 「…好きです。ずっと前からあなたが好きです」 「…!」 「いつも抱きしめられて、暖かくて…好きになっちゃったんです。気持ち悪くてごめんなさい…でも…」 堪えきれず涙があふれる。顔も上げていられない。 「…どうしても、伝えたかったんです」 そんな私を見つめ、彼女は呟いた。 「…あずにゃん、ありがとう」 唯先輩はそっと私の手をとり、優しく握る。 「でも…ごめんね」 …そっか。やっぱり、そうだよね。分かっていた。覚悟していたけど。だけど。 大粒の涙が、私の頬を伝う。 「あずにゃん、あのね、私…気づいてたんだ。あずにゃんが私の事、好きでいてくれてるコト」 「うぅ…ごめんなさい、ごめん…なさ…えぐっ」 「ううん…ちがうよ。私、嬉しかった。私も、あずにゃんの事…」 「え…?」 唯先輩は語尾を曇らせる。そして一呼吸おき、私に告げる。 「でもね、駄目なの。幸せになれないの。だって…女の子同士なんだよ。私、がんばって…あきらめ…たんだよ」 気がつくと、握られた私の手に、ぽたぽたと涙が零れる。私のではない、唯先輩の涙。 「で、でも!私」 「だからね、あの時…じゃあねって…。ごめんね、あずにゃん…ぐすっ、ごめん…ありがとう…」 そう言うと唯先輩は、笑顔を向けた。 「3年、か」 あの日からちょうど3年が過ぎようとしている。あの日と同じようにベッドに寝転びながら、当時を思う。 卒業式前日、あの人にメールをしたこと。そして、放課後の音楽室。 あの日と同じように携帯を手に取る。けれどもう、あの時とは違う。私は携帯の受信ボックスを開く。 だけどそこに『唯センパイ』の文字は、無い。 でもね、寂しくなんてないよ。だってもうすぐ…。 ♪~ 「来たっ」 From ゆい Sub 0じ00ふん!! 記念日おめでとう!3周年だね!あずさををずーっとアイスー☆ ps 大好きだよ 私は思い出す。 ――― 「ごめん…ありがとう…あずにゃん」 唯先輩は笑顔を向けた。けれど、彼女のそれは笑顔なんかじゃなくて。下唇を噛み、肩を震わせ、目に涙を溜めて。 なんでそんな顔するんですか。私の大好きな貴女の笑顔は、そんな悲しい顔じゃない。 「…だったら、だったら私が唯先輩を守ります」 「え…」 「私が唯先輩をずっと守ります、ずっと愛しますから…だから…」 「あずにゃん…私…」 「何を言われても、何があっても、ぜったい幸せにします…だから…私じゃ…駄目ですか…?」 「だって…私…うぅ…」 「貴女の笑顔を…いつまでも見ていたいんです!」 「!!」 私は唯先輩の手をぎゅっと握る。その瞬間、私に負けないくらい強く、彼女の手が握り返した。 「私、私も…あずにゃんが…好き…うぅ…好きなのっ…うわぁぁぁん!」 「唯先輩…唯先輩!」 私は唯先輩を抱きしめる。抱きつかれてばかりの私が、初めて彼女を抱きしめた。 「ずっと…守って…私も…好きだから…愛してるから…えぐっ…あずさ…」 「はい、ずっと一緒に…ぜったい離しません…唯先輩…」 ――― あの日から3年、今受信ボックスの中に溢れているのも、間違いなく彼女だ。 「ふふっ、ありがと」『私も大好きだよ、ゆい』カチカチ そしてこれからも、ずっと。 ♪♪~ 「あ、着信だ。もしもし、ゆい?」 『あ、あずさ?実はね、最初の文、愛すとアイスをかけたんだよ!』フンスッ 「うん、わかってるよ」 『え、ええ!?』 おしまい! いいセンスだ… -- (名無しさん) 2010-05-05 23 50 40 先輩から唯に変わったのか。 -- (あずにゃんラブ) 2013-01-20 02 16 15 良い話だな、感動した -- (名無しさん) 2014-02-03 18 06 21 感動して泣いてしまった。 -- (風吹けば名無し) 2017-01-06 02 43 02 名前 感想/コメント: すべてのコメントを見る